2014-01 まとめ


1
無人精米所の扉のところに雀が一羽いて、ちょこちょこ歩いていたからカワイイなあおい!と思って見ていた。どうもその辺に落ちている米の粒を啄んでいるようだった。


2
昨夜録画しといたNHKのドキュメンタリーを見ていた。毎回場所を限定して、そこを訪れた、普通の人々にスポットを当て、話を聞いて行く、と言った感じの番組。人に焦点を当てるのではなく場所に着目しているのが面白い。ファミレスの回を見てたらそのファミレスがジョイフルだったのでちょっとびっくりだった。マジでいろんな人たちがそれぞれの困難を抱えて、その困難とその人なりのやり方で対峙している、それでもやはり、死ぬまで人生は続くのだなあ、などという、相当言わずもがなな、凡庸極まりない感想を持つ。でも本当にこういうものを見ていると泣きそうになってくるのだった。


3
記憶イコール生なんて嘘だろう。悉く、人生の大半は記憶にも残らないようなことばかりではないのか。思考、というか意識もそうだろう。意識にも上らない領域で脳は独自にいろんな処理や計算をしているわけだが、それらを逐一意識はチェックなんて出来ないのだから、当然その膨大な思考は拡散して消えてしまうしかない、ということになる。


4
帰宅後、夜、風呂上がりに何気無く高橋源一郎の「さよなら、ニッポン」を読み始めてしまう。
作為的なものとそうでないもの、いや、作為的でないように作為するということ。
全ての、あらゆる小説、だけじゃなく、映画でも漫画でも、様々な作品は、何らかの面白さを目指して作られているわけだけど、その、狙ってる感、どうだ面白いだろうと言わんばかりの、これ見よがしなあざとい感じ、というのがもう嫌だ、というのはよくわかる。しかしなにがしかの面白さを狙わなくてどうするという気もする。そこを否定して、アウトサイダーアートのような、本当の天然の、純粋無垢というのか、計算なんてまるでない、ありのままでありながらもどこかこわれたような、そういったものを愛好するというのは、それはそれでどうなのか。そうなってしまうと、究極は、結局狂っているものだということになりはしないか。まあ、小説を開いて、いきなり、いかにも小説だなあと感じられてしまう書き出しというのは、確かにちょっと僕もウンザリというか、気合い入り過ぎだろう、という感じはするので、自分が何かを書くとしたら、やはりそこは避けたい、もっとラフに、肩肘張らずに書けたら良いが、と思うものの、難しいだろうなあ…。


5
金曜日の教室で、普段は全然交流もないようなクラスメートの女子と、僕と彼女が担当の委員会についての事務的な要件で、どうしてもその子に伝えておかないといけないことができたので、しかたなく「……◯◯さん、あの、ちょっといいかな?」と、彼女が友人と会話をしているところへ、一人でいる人に話しかけることでさえも相当な緊張感なのに、その上さらに二人でいる人間の、和気藹々とした楽しげな空気をぶった切るように割って入っていくなんてこれはもう苦行以外の何物でもない…と思いながら、それでも手振りは手刀を切るポーズを反射的にやってしまっていて、手刀を切りつつ僕は彼女たちに近づいていって、あたかもそこに、彼女たちの周囲に、何か見えない膜のようなものがあり、それを自分は切り裂きたい、そうすればその空間に入り込めるのだ、とでも言うように、そう無意識に考えての手刀だったのか、はたして、僕に突然声をかけられた彼女のリアクションは、案の定、はあ?なんなのよ。私たちのふわふわTIMEを邪魔しやがって。ていうかあんた誰?という感じだった。そういう目をしていた。「……いや、昨日の委員の集まりで、来週からの朝の声掛け運動、僕たちのクラスが当番になったもんだから、それでまあその、来週はいつもより早めに登校をしてですね、僕たち二人で校門前で皆に挨拶を……」「え、なにそれー!ムリムリ!」と、話の途中で彼女は叫ぶように声をかぶせてきた。自分の座っている机に頬っぺたを押しつけながら、傍に立っている友人女子の方を向いて、「校門前で挨拶とか恥ずかしすぎるよ~。椎井さん代わりにやってよ!」と言った。そう言われた友人女子の椎井さんは、「何髪の毛食べてんの!」と笑いながら僕を指差した。え、と思って僕は自分の口に手を持っていき、口の端をつまむ動作をしたのだけれど、場所が違ったようで、指先は何も掴まなかった。すると、「そのままそのまま」と言いながら、椎井さんは僕の口についていたらしい一本の髪の毛を、ひょいと取りのぞいてくれた。そのとき、一瞬だけ、彼女の指先が僕の唇に触れてしまったが、椎井さんはそんなことは特に気にする様子もなく、親指と人差し指でつまみとった髪の毛をその辺の空間に、指を鳴らすような仕草で投げ捨てた。


6
お姉ちゃんっぽい方が妹で、妹っぽい方がお姉ちゃん。


7
歯医者にて。


「今からはをみがていきますので、口を『い~』ってしてください」

「い~」

「……いやいや、どうして、
『い~』って言いながら口がたこみたいになってるんですか! それじゃ『ちゅ~』ですよ!」

「ちゅ~」

「何ひらきなおってるんですか!」

「いけませんか?」

「……いや、いけなくはないですけども ……それでは歯がみがけません!
ちゃんと、歯をみがいてからです!」


8
「ねえ、先生。こっち見て?
あの頃は全然なかったわたしのおっぱい。時間が経って、こんなにゆたかになりました。」と元教え子に迫られる夢。


9
夜、コタツに入って日記帳に日記を書いていた妻が、いきなり、「こわい!」と言うので、びっくりしてどうしたのかと問うと、「夕飯クッキーって書いてた……」と言うのでますます意味がわからない。

「全く意味がわからない。こわいって何が?」
「わたし、毎日なにを食べたか日記につけてるでしょ?」
「ああ、うん」
「でね、今日の夕飯って煮込みラーメン鍋だったじゃない?」
「そうだけど…」
「なにの、夕飯、クッキーって書いてた!」
「なんで」
「ちなみに昼は友永パン(別府市にある有名な老舗パン屋さん)。もちろんそんなもの食べてない」
「えーっ!」
「こわくない?」
「こわい……」
「クッキーも友永パンも食べてないし、そんなことを書いた記憶すらないのに…」
「でも、まさにいま自分で日記を書いてなかった?」
「書いてた…」
「じゃあ一体誰が書いたのか……」
「それにしても夕飯クッキーはひどい!」
そう言って煮込みラーメン鍋に訂正していた。


10
RPGをやっていて、モンスターが出現した。フィールドをうろついているとエンカウントで出くわすあれだ。敵は3体。シロクマ2頭とアリ。対象が幅広い。まず、ほとんど黒い点にしか見えないグラフィックのアリに、装備していたグレネードランチャーで擲弾を惜しみなく撃ち込む。派手な土煙の後に、抉りとられた地面の土がそこら中に散乱しているのが見える。シロクマの毛も土埃にまみれ元の色を失っている。心なしか、少し迷惑そうな表情。で、肝心のアリを仕留めたかどうかだが、目の前の光景を見る限り、これでは正直何もわからない。


11
毎日基本的に通勤中は車の中で音楽を聴いているのだが、行きと帰りとで合わせればたいていのアルバムなら一枚聴き通せてしまう。でも朝は気分が滅入っているせいか、僕は昔から朝のニュースとかも見れないタチの人間なので、音楽も聴くモードになってくれない。というわけで結局帰りの片道しかろくに聴いていないのが現状。昨日はバッファロードーターのシャイキック。今日は行きにステレオラブのエンペラートマトケチャップ。帰りにザバンドのベストを流していた。ただそれだけ。感想とかはない。