某日録

一月某日
野良猫ロックシリーズと女囚さそりシリーズを見尽くしたので次はもっと男臭いものをということで、トラック野郎シリーズを。
「トラック野郎 望郷一番星」「トラック野郎 天下御免」どちらも滅法面白い。
これこそ真の娯楽映画だと思う。
こういう贅沢な映画を劇場で観たかった。

一月某日
病室のベッドの上でパチンコ雑誌を熟読中の父。
なかなか快復の兆しが見えないので今度また手術するらしい。
今日は主治医からそれについての説明があるとかで、ぼくも同席することに。
尿道の断面図のイラストとか見ながら説明を聞く。
かなりやっかいな手術っぽい。
ぼくにできることは長い入院生活の暇つぶしを提供することくらいしかないので、今度トラック野郎でも借りて持っていってやるか。

一月某日
都町のへんろみちで夕飯。
肉ごぼう天うどんと鳥天。ビールも。
鳥天は衣が味つけされていてかぼすを搾って食べるというもの。
味はもちろん、店の雰囲気もよかったのでまた来たい。
満腹で街を練り歩いていると電柱の下に紙パックのジュースの屑が捨てられていた。
立ち止まりじっと見てみると、「一日の野菜これ一本」とかいうやつだった。
なぜか一カ所にそれが四本も捨てられている。
同じジュースを四人でチューチュー飲んだのか、あるいは一人の人間が四本も「一日の野菜これ一本」を摂取(つまり一日に四日分を)したかのどちらかだが…
電柱の前でしばし考えこむ。

一月某日
体調悪し。歯が激烈に痛い。
バファリン飲んでなんとかごまかす。

ビデオカメラを買おうと思うのだが、今や電気屋にはハードディスクやDVDに録画するタイプのやつしか置いてないので腹が立つ。
どうしてもビデオテープに録画するタイプのやつがほしいのでリサイクル店に行ってみた。
が、めぼしい品なし。
こうなったらヤフオクで探すか。

ヤマダ電機で「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」の中古DVD発見。
河内山宗俊」もある。
実はこれ、一年前からここにあるのだ。
でも一年前の今頃は働いておらず金がなかったので買えなかった。
まさか一年経ったのに売れずに残っているとは…
これは映画の神様がぼくに買えと言っているのだ。
冷静に考えてみたら「丹下左膳餘話~」が1980円なんて安すぎる。
河内山宗俊」の方は2980円と千円高いのでちょっと躊躇う。
まあこれはビデオで持ってるからいいや。
また一年後にあったら買おう。

帰りの車中、ラジオからこんな文句が流れてきた。
「一年前の俺と掛けて、透明なガラスと解く。
そのこころは、どちらもムショクです。」