遠くの空に消えた

遠くの空に消えた [DVD]

遠くの空に消えた [DVD]

映画は空港に降り立った飛行機から乗客が降りてくるシーンからはじまる。この空港がいかにも人工的で、ふと「右側に気をつけろ」か?と思ったが、んなわけないとすぐに打ち消す。やがて飛行機から柏原崇登場。彼は空港の地面に埋まっているスニーカーの跡を眺めながら、なにやら物思いにふけっている様子。そこに2人のスッチー(じゃなくてCAね)がやって来て、その靴跡について柏原に訊ねる。すると柏原は、「僕はこの靴の持ち主を知っている」とかなんとか言って、2人のCAにいきなり昔話をはじめるのだが、回想の導入部としては、これはかなり斬新かもしれない、と思った。もちろんギャグでなく本気でやっているのだとしたら単なるアホだが。現実に空港の滑走路近くにしゃがみこんで長々と話し込まれたりしたら、はっきり言ってものすごい迷惑だろう。ここまでがアバンタイトル。そこから物語が語られ始め、まあ、いろいろある。で、ラスト、再び冒頭の空港のシーンへ映画は戻ってくる。と、空はすっかり夕焼け色になっている。一体何時間話し込んでたのだろうか・・・?タフな連中である。そして柏原の話を聞き終えたCAの一人(キタキマユ)は、「なんか感動しちゃった」とものすごく心無い台詞を言い、それを聞いた俺は、一刻も早くこの映画の記憶を消したいと思ったのだった。